iOS7のことを知るならiOS 7を買うべし!(iPhone アプリ開発テクニック本 レビュー)
上を目指すプログラマーのためのiPhoneアプリ開発テクニック iOS 7編
- 作者: 加藤寛人,西方夏子,藤川宏之,鈴木晃,高丘知央,丸山弘詩
- 出版社/メーカー: インプレスジャパン
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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iOS 4から始まった本シリーズ。
iOS 4,5と担当させて頂きましたが、ついに7の本が出ました!
いつも献本有り難う御座います。この場を借りてお礼申し上げますm( _ _ )m
さて、早速読んでみましたので感想というかレビューを。購入の参考にして頂ければ幸いです。
まず、最初にiOS7の概要とXcode の最新機能について解説があります。
開発者ならばRelease Noteで既にご存じかもしれませんが、おさらいも兼ねて読み直すと良いでしょう。
2章では、画面遷移について基本から応用までコードベースに解説が掲載されています。画面遷移はiOSの得意とするところですから最新の実装方法を把握しておくにはおすすめだと思います。
3章は、UIKit Dynamicsについての解説です。
正直WWDCではさらっとセッションを受講して以降...という状況でしたので具体的なコードやサンプルを見ながら理解出来るのはありがたい限りです。Appleの開発サイトではよくわからない。という方にもおすすめしたいです。
4章のText KitもiOS 7からの新機能であり、Core Textをより使い易くしたものです。
Core Textは、iOS開発者の中でも上級者向けという位置づけで、なかなか手を出すことができませんでしたが、Text Kitはより間口を広げた形で使い易くなっているので、Text関連でよりアドバンスな使い方をしたい方に是非読んでいただきたいです。
5章のマルチタスキング・通信、特にマルチタスキングは、個人的にもiOS 7でも凄く注目しているもので、マルチタスクの制限緩和に伴う追加機能=バックグランド処理の追加機能の解説や注意点などが具に解説されており、この章のためだけでも買いでした。
私の本業であるゲーム開発では、無料アイテム課金+運営タイトルが主となりつつあるため、バックグラウンドで最新データに更新しておく手法としてこの章はとても参考になりました。
正直、Appleのドキュメントだけでは情報が足りなすぎるので、この章の充実っぷりにはとてもお世話になりそうです。
Bluetooth周りにもついても触れられており、iBeaconなどに興味がある方にもおすすめしたいです。
6章では、Sprite Kitと呼ばれる2Dゲーム制作に特化したフレームワークの解説があります。cocos2dの本を既に執筆されている実績のある加藤さん、高丘さんが担当しているということもあり、人気のあるcocos2dとの比較など交えてわかりやすいです。
Sprite Kit入門として読みたい方におすすめします。
7章は、iOS 7の拡張機能について網羅されており、サクッと読めるボリュームで且つわかりやすいです。Core Motionの具体的なコードを見れたのは良かったなぁと。
iPhone 5sに搭載されたM7チップを使ったプログラミングを検討されている方におすすめです。他には、iCloud Core Data, Keychain, Map, キーボード関連があります。
最後のAppendixもAppendixとは思えないほどの充実っぷりで、iOS 6以前の開発者には是非、旧バージョンからの以降や64ビット対応について是非読んでいただきたいです。
ドキュメントだけではわからないハマリ所なども解説されているのも本書を購入されるメリットかと思います。
全体的に、iOS 7それぞれの機能が適切なボリュームでまとまっており、読みやすい印象を受けました。
著者の皆様、シリーズを引き継いで頂き、本当にありがとうございました!